説明文の表現よみ指導          2012・02・29記




  
説明文の教材分析のしかた(2)




  前節「説明文の教材分析のしかた(1)」では、説明文一般についての
教材分析のしかたについて書きました。本節では説明文の「音声表現の教材
分析のしかた」について書くことにします。


    
説明文・音声表現の教材分析のしかた


    ●児童の音読実態から重点目標を作る


  これまで教師が学級児童にどんな音声表現の指導をしてきたか、音声表
現力を伸ばすためにどこに重点をおいて音声表現の指導してきたか、その結
果、学級児童の音声表現能力のレベル(水準)がどれぐらいであるか、これ
らによって次に教師が音声表現の重点指導を何にする(どこにおくか)が決
まってきます。
 まず、学級児童の音読実態がどうであるかを調べることが必要です。そこ
から重点目標を決めましょう。
  何の指導もしていない学級児童ならば、まず声の出し方、はぎれよい発
音で、響きのある声で、ゆっくりと読むこと、繰り返し読んで、読み慣れる
ことに重点をおく指導からはじめるのがよいでしょう。そんな指導は、うち
の学級児童はひつようないなら、次のステップへ進んでよいでしょう。
  上手な読み方とは、すらすら早口で、まちがえないで、つっかえないで
読むことだと認識している児童たちならば、すらすらの早口読みはいけない
こと、意味内容も考えない空読みの早口読みはいけないこと、意味内容を押
し出すことが大切なこと、読み間違えたら読み直せばよいこと、意味内容を
押し出すための読み間違えなら、読み間違えては大いにけっこうと、意味内
容のまとまりと区切りをはっきりさせようと努力して読むことに重点目標を
おきます。

重点目標の例

  児童の実態に応じて、いろいろな学級独自の音読目標があることはもち
ろんです。
  下記に重点目標の例を、思いつくままにランダムに挙げています。これ
らを参考に、あなたの学級の音読実態の応じて重点目標を設定し、指導して
いきましょう。段階をおって少しずつレベルを上げて指導していきましょう。

○響きのある、歯切れよい発音で読みましょう。蚊の鳴くような細い声で読
 むのはやめましょう。

○うねり・波のような節回し、へんな読み癖をなくしましょう。素直な淡々
 とした読み調子で読みましょう。

○音吐朗々とかん高い一本調子で読み上げるだけの読み調子をやめましょ 
 う。素直な淡々とした読み調子で読みましょう。

○語尾が消えたり、逆に文節末がしり上がりあがったりの読み調子はいけま
 せん。素直な淡々とした読み調子で読みましょう。

○文字を読むことにせいいっぱいで、意味内容が声に浮かんでこないです。
 こう読みたいという思いを押し出して読むようにしましょう。

○意味内容のひひとつながり、区切りに気を使って読みましょう。意味内容
 の区切りをはっきりさせて読むことはとても大切です。間をちゃんとあけ
 て読みましょう。

○こぢんまりと、小さくまとまりすぎて、沈んだ読み方になってはいけませ
 ん。図太く、大胆に、どかーんと思い切り意味内容を押し出して読みまし
 ょう。遠慮はいけません。

○筆者が伝えようとしている事柄(意味内容)を押し出し、思いきり押し出
 して、筆者が伝えようとしてる事柄を強めて・強調して読んでみよう。

○音読記号にはどんなもの(種類)があるか、知ろう。

○自分で文章に音読記号をつけてみよう。下読みで10こ以上つけられたら
 合格です。

○友だちの読み声を聞いて、自分の感想や意見を発表しましょう。よかった
 点、工夫すべき点を発表しましょう。

○自分の音声表現を聞いて、不満足な個所はどこですか。より上手な音声表
 現をめざして読み直してみましょう。自分で納得できるまで何回も繰り返
 して読み直し練習をしましょう。

○段落変わりでは、転調して読み出していきましょう。

○ひとつの段落でも、意味内容の大きなかたまりがあります。大きなかたま
 りには大きな間をあけて読みましょう。

○「はじめに、つぎに、それから」「1ばんめに、2ばんめに、3ばんめ 
 に」「なぜ……でしょうか。それは……だからです」「なぜ……なのでし
 ょうか。そのわけは、いくつか考えられます。第1は……、第2は……、
 第3は……」「問題の文個所、答えの文個所との区分け読み」「たとえば、
 だから、このように、つまり、ようするに、すなわち」「だから……で 
 す」など、時間系列の言葉や、論理的接続で重要な働きをしている個所 
 (語句)は、はっきりと目立たせて読むようにしましょう。

【参考資料】
  本ホームページの中にも、表現よみの目標設定に関する記事内容があち
こちにあります。これらを参考にして学級児童全体の表現よみ目標、または
個人個別指導の目標を見い出してください。
  第2章「ここから始めよう、音読授業」
  第3章「やってみよう、音読の基礎練習」
  第8章「上達の3段階。上達の5段階」
  第8章「本時目標の立て方」
  第8章「重点化してほしい指導内容」
  第8章「間はたっぷり気味に長めにあける」
  第8章「音読初期の読み声はこうだ」
  第8章「上級レベルの読み声はこうだ」
  第13章「表現よみの指導方法



    ある学級の実態報告例


  下記は、わたしたちの表現よみ実践研究会で埼玉県内の小学校、3年生
担任教師からからの実態報告です。
  教材文「すがたをかえる大豆」(光村3年・国分牧衛)を指導していた
時の実態です。

はぎれのよくない発音の児童がいる

  はぎれのよくない発音の児童がいる。1,2名ですが、口の開きが少な
く、もぐもぐした発音の児童がいる。こうした児童には、母音をしっかりと
出させる指導が必要です。発音練習については、拙著「すぐつかえる音読練
習プリント」(ひまわり社)中学年用、または高学年用を参照のこと。

文末の尻上がり読みする児童がいる

  文末の「尻上がり読み」がみられる子がいる。「調理されて出てきま─
─す」「入っていま──す」「知られていませ──ん」「とうふができあが
りま──す」「植物のたねで──す」など。「きます」「います」「いませ
ん」と、ぴしっとしまりよく言い納める指導が必要です。

文節末の力み読みする児童がいる

  文節末の「力み読み、尻上がり読み」がみられる子がいる。「大豆は─
─、いろいろな食品に──、すがたを──、かえていることが──、多いの
で──、気づかれないので──す」など。これに、長く伸ばして、さらに上
品ぶった、すかした読み方もみられる。こうしたすかし読みは高学年女子児
童に多くみられる。

文字づら読みだけの児童がいる

  意味を理解してなくて、ただ文字ずらだけを声にしている児童がいる。
意味が分かって読んでいるか、分かっていないで読んでいるか、その子の音
声表現を聞いただけで大体は分かります。意味内容が分かっていると、音読
全体のめりはりにまとまりがあり、読みにリズムや勢いが出てくるようにな
ります。
  意味内容にはまとまりがあることを知らせます。ひとつながりのまとま
りは、どこからどこまでか、どこで切れているか、を全員で調べます。
  説明文の音声表現では、意味のまとまりで区切って読むはとても重要で
す。区切りの具体例は、下記で書いています。

早口読みの児童がいる

  早口読みをする児童がみられる。テンやマルでたっぷりと間をあけて読
むように指導します。テンやマルで切りすぎて、全体の意味内容のまとまり
がなくなり、ぶつぶつと切れた読み方になってしまうこともあるので気をつ
けます。
  早口ですらすら読むのは下手な読み方である、上手な読み方は、とちっ
てもよいからゆっくりと意味内容を押し出して、区切って読むことだと教え
ます。

説明文を物語文のように読む児童がいる

  説明文の表現よみで、物語文の表現よみと同じような読み方をする子が
いる。つまり、思いや気持ちをたっぷりとこめ、節(ふし)がついたり、リ
ズムがついたりした読み調子になる子がいます。本人はいい気持ちで、情感
たっぷりな読み調子のめりはりをつけて読んでいるつもりになっているよう
です。
  物語は想像世界を表象豊かに情感性をこめて音声表現します。説明文は
自然、社会の事理を論理的に解明しているように冷静客観的に音声表現しま
す。説明文と物語文との音声表現の仕方の違いについては、本ホームページ
第14章の中の「説明文と物語文との音声表現の相違」「言語機能の相違」
「説明文と物語文とは聞き手意識がちがう」などを参照してください。




    
実際に説明文を教材分析してみよう



「すがたをかえる大豆」(光村3年)教材分析の例


  次に説明文の実際の教材分析をしていきましょう。実際に文章をとりあ
げての教材分析をお読みなさったほうが、音声表現の教材分析のしかたがご
理解できるでしょう。文章本文のありようによって音声表現の仕方はみな違
ってきます。どこを、どう留意して音声表現の指導していけばよいかがご理
解いただけると思います。
  音声表現のしかたは、それぞれの教材文の書かれ方によってみな違って
きます。「すがたをかえる大豆」本文では、どんなことに留意して音声表現
の指導をしていけばよいのでしょうか。下記に音声表現指導をしていくとき
の観点を、わたしなりに考えた事項を書くことにします。


(1)問題提起文と応答文を読み分ける

(本文)
  わたしたちの毎日の食事には、肉・やさいなど、さまざまなざいりょう
が調理されます。その中で、ごはんになる米、パンやめん類になる麦のほか
にも、多くの人がほとんど毎日口にしているものがあります。なんだか分か
りますか。それは、大豆です。


  「なんだか分かりますか」(問題提起文)は問いかけ音調で読む。それ
に応答した音調で「それは、大豆です」と読むのがよい。問題文と答え文の
めりはりをはっきりさせた音調にして読むことです。

(2)説明文は強調が多くなる

  説明文は、筆者が読者にこれを伝えたい、知ってほしい、訴えたいとい
う強い伝達意図・思い・願いがあって書いています。筆者はそうした熱い思
いをこめて書いています。だから、説明文の音読では当然に筆者の強調した
声をめりはりとして目立つように音声表現するとよいでしょう。つまり強調
個所が多くなります。
  次にその一つの例を参考までに書きます。赤字が強調するところ。あく
までもひとつの例にしか過ぎません。読み手個人によってかなり強調個所は
違ってくることを承知して下さい。

(本文)
  わたしたちの毎日の食事には、肉・やさいなど、
さまざまなざいりょう
が調理されて出てきます。
その中で、ごはんになる、パンやめん類になる
のほかにも、多くの人がほとんど毎日口にしているものがあります。なん
だか、
分かりますか。それは、大豆です。大豆がそれほど食べられているこ
とは、
意外と知られていません。大豆は、いろいろな食品にすがたをかえて
いることが多いので
気づかれないのです。

(3)段落変わりでは転調して読み出す

  説明文の段落変わりの冒頭では転調して読み出すところが多くなります。
たまに、段落内部でも転調する文章個所もあります。「転調とは」について
は、第13章を参照のこと。
 「すがたをかえる大豆」には、形式段落が9個あります。それぞれの段落
の語り始めにある単語の第1音の発音を明るく強めに出だして読み進めてい
きます。その単語全体は第1音にひきずられて同じ音調になります。段落変
わりで話題が転換していることを音声で知らせるます。
第1段落。「
たしたちの毎日」の「」を強めに出だす。
第2段落。「
豆は、ダイズという植物です。」の「」を強めに出だす。
「ダイズ」は「ダ・イ・ズ」とゆっくり区切って目立たせて読みます。
第3段落。「
ちばん分かりやすいのは」の「」を強めに出だします。

(段落内部でも転調する例。下記は第3段落の全文です)

(本文)
  
ちばん分かりやすいのは、大豆をその形のままいったり、にたりして、
やわらかく、おいしくするくふうです。
ると、豆まきに使う豆になります。
につけてやわらかくしてからにると、に豆になります。正月のおせちりょ
うりに使われる黒豆も、に豆の一つです。に豆には、黒、茶、白など、いろ
いろな色の大豆が使われます。


 「いると」こうなる、「水につけてにると」こうなる、上記の文章個所は
意味内容で大きく二つに分かれています。「いると」の「
」で転調して読
も出します。「水につけると」の「
」で転調して読み出します。
  また、長い一文は、一文内部の区切り方(意味の切れ続きかた)に気を
つけて音声表現することが大切です。
「(いちばんわかりやすいのは、)(大豆をその形のままいったり、にたり
して、)(やわらかく、おいしくするくふうです。)」のかっこはひとつな
がりにして音読するとよいでしょう。かっことかっこの間は軽く間をとると
よいでしょう。

(4)文+文の係り受けに配慮する

  文章は、文+文+文でできています。一文が、そのあとに続く、次の一
文と、どんな関係になっているか。どんな受け方になっているか。つながり
方になっているか。受けか、新しい起こしか。つまり、前とつながって接続
しているか、意味が新しく変わって接続しているか(切れているか)、二つ
を区分けして音読することが大切です。

  下記の第1段落全文は、すべてつながっています。上の文を受けて、下
の文が次々とつながっています。つなげて音声表現していくとよいでしょう。
この点、上記(3)の段落内部でも転調する例とは違います。

(本文)
  わたしたちの毎日の食事には、肉・やさいなど、さまざまなざいりょう
が調理されて出てきます。その中で、ごはんいなる米、パンやめん類になる
麦のほかにも、多くの人がほとんど毎日口にしているものがあります。なん
だか、分かりますか。それは、大豆です。大豆がそれほど食べられているこ
とは、意外と知られていません。大豆は、いろいろな食品にすがたをかえて
いることが多いので気づかれないのです。


  下記の第3段落全文は、前述したように「いると」と「水につけてにる
と」とでは、意味内容が大きく分かれています。全体を三つに区切って音声
表現するとよいでしょう。
 
(いちばん分かりやすいのは、大豆をその形のままいったり、にたりして、
やわらかく、おいしくするくふうです。)
(いると、豆まきに使う豆になり
ます。)
(水につけてやわらかくしてからにると、に豆になります。正月の
おせちりょうりに使われる黒豆も、に豆の一つです。に豆には、黒、茶、白
など、いろいろな色の大豆が使われます。)


(5)論理的関係語彙に注目する

  説明文には、独特の論理的な語彙が使われることが多い。これらは、目
立たせ、粒立てて音声表現するとよいでしょう。つまり、転調して目立たせ
て読むとよいでしょう。
 「なんだか分かりますか」「それは、大豆です」
 「つぎに」「また」「さらに」「これらのほかに」「このように」「その
うえ」など。

(6)区切りの間をしっかりとる

  説明文の音声表現では、意味内容の区切りがはっきり表現されないと、
ごちゃごちゃして何を読んでいるのか分からない読み方になってしまいます。
ひとつながりの区切りをはっきりさせて読むことが大切です。
  この段落内では、筆者の言いたい内容のかたまりがいくつあるか、ひと
つながりのかたまりの文がいくつのグループあるか、をつかんで音声表現す
ることを教えましょう。次は一段落内に三つのかたまりがある例です。

本文)
 さらに、目に見えない小さな生物の力をかりて、ちがう食品にするくふう
もあります。ナットウキンの力をかりたのが、なっとうです。むした大豆に
ナットウキンをくわえ、あたたかい場所に一日近くおいて作ります。コウジ
カビの力をかりたものが、みそやしょうゆです。みそを作るには、まず、む
した米か麦にコウジカビをまぜたものを用意します。それと、しおを、にて
つぶした大豆にくわえてまぜ合わせます。ふたをして、風通しのよい暗い所
に半年から一年の間おいておくと、大豆はみそになります。しょうゆも、よ
くにた作り方をします。


  上の段落内部は、三つのグループに区切って音声表現するとよいでしょ
う。三つの区切り個所では間を十分にあけましょう。ひとまとまりは、意味
内容をひとつながりにして読んでいくようにしましょう。次の三つの【 】
は、教科書では一つの段落になっていますが、以下では分かりやすく改行に
して三段落にして書いています。

 
【さらに、目に見えない小さな生物の力をかりて、ちがう食品にするくふ
うもあります。】

 
【ナットウキンの力をかりたのが、なっとうです。むした大豆にナットウ
キンをくわえ、あたたかい場所に一日近くおいて作ります。】

 
【コウジカビの力をかりたものが、みそやしょうゆです。みそを作るには、
まず、むした米か麦にコウジカビをまぜたものを用意します。それと、しお
を、にてつぶした大豆にくわえてまぜ合わせます。ふたをして、風通しのよ
い暗い所に半年から一年の間おいておくと、大豆はみそになります。しょう
ゆも、よくにた作り方をします。】


次の例文は、どうでしょう。
 
「ごはんになる米、パンやめん類になる麦のほかにも、多くの人がほとん
ど毎日口にしているものがあります。」

  これの音声表現は
【(ごはんになる米、)(パンやめん類になる麦)】【のほかにも、多くの
人がほとんど毎日口にしているものがあります。】

のような音声表現になるでしょう。

 
「大豆がそれほど食べられていることは、意外と知られていません。」 
 これの音声表現は、
  主部「大豆がそれほど食べられていることは」+述部「意外と知られて
いません。」です。筆者が強く読者に言いたいことは「大豆がそれほど食
べられている」です。だから、ここは強調して読ます。「意外と知られてい
ないのは、何か」の「何か」の結びつきもはっきりさせて音声表現するとよ
いでしょう。

(7)一文の長文は区切りを大切にする

  一文が長い文になっている、または意味内容が二文でひとまとまりにな
っている場合があります。こうした文章は、区切りに気をつけて音声表現す
ることが大切となります。幾つのかたまりになっているかを調べさせます。
意味内容の大きな固まり、ひとつながりを意識して音声表現するとよいこと
を知らせます。ひとつながりはつづけて読み、くぎり個所ではきちんと間を
あけて読むようにさせます。

(本文)
  大豆がほかの作物にくらべて、こんなに多くの食べ方が考えられたのは
大豆が味もよく、畑の肉といわれるくらいたくさんのえいようをふくんでい
るからです。そのうえ、やせた土地にも強く、そだてやすいことから、多く
のちいきで植えられたためでもあります。


  上の文章には、三つの事柄が述べられています。「こんな多くの食べ方
があるのは、」(理由が二つあって)「大豆が味もよく、えいようがある」
「それに、やせた土地に強く、そだてやすい」の二つである。

【大豆がほかの作物にくらべて、こんなに多くの食べ方が考えられたのは】
【大豆が味もよく、畑の肉といわれるくらいたくさんのえいようをふくんで
いるからです。】
【そのうえ、やせた土地にも強く、そだてやすいことから、
多くのちいきで植えられたためでもあります。】


  三つの区切りであるが、大きくは二つです。ひとつの主部の下に、述
部が二つくっついている文構造になっています。二つを大きく区切って音声
表現するとよいでしょう。あとの二つの理由を区切って、軽く間をあけて読
むとよいでしょう。

(8)指示語(こそあど言葉)

  指示語があるときは、指示して受ける前語句または前文とをひとつなが
りの意味内容になるように連結して音声表現するとよいことは言うまでもあ
りません。次のようにです。
  【ダイズが十分に育つと、さやの中のたねはかたくなります。これが、
わたしたちが知っている大豆です。】
  「これ」は、「かたくなったたね」を指しています。「これ」を読むと
きは「かたくなったたね」を頭の中に入れて読むようにするとよいでしょう。
指示語を読むときは、指示内容を頭の中に入れて読むと、音声表現がぐっと
よくなります。
  【かたい大豆は、そのままでは食べにくく、消化もよくありません。そ
のため、いろいろと手をくわえて、おいしく食べるくふうをしています。】
  「そのため」の「その」を読むときは、「消化がよくなく、食べにくい、
かたい大豆」を頭に入れて読むと音声表現がぐっとよくなります。

(9)時間的順序・変化を表す言葉

  説明文には、時間的順序や時間的変化を表す語句がよく出現します。こ
んな語句を含む文章を音声表現するときは、文章の流れの中で順番をイメー
ジしながら、順番が音声にはっきりと出るようにします。筆者の言いたいこ
と論運びの筋道とその区切りをはっきりさせつつ音声表現していきます。時
間的な順序や時間的な変化を意識して、時間変わりや順序変わりが分かるよ
うに区切って音声表現していきます。
(次に、こなにひいて食べるくふうがあります。)(もちやだんごにかける
きなこは、)
(大豆をいって、)(こなにひいたものです。)
解説
 「(きなこは)(いって)それから(こなにひいたもの)」の関係をはっ
きりと音声表現に表します。

 
(また、大豆にふくまれる大切なえいようだけを取り出して、ちがう食品
にするくふうもあります。)
(水をいっぱいにすいこんだ大豆をすりつぶす
と、)
(白っぽいしるが出てきます。)(これに水をくわえて熱します。)
(その後、ぬのを使って中身をしぼり出し、)
(かためるためにニガリとい
うものをくわえます。)
(こうすると、とうふができあがります。)

解説

  とうふのできる順序が声に出るように読むことが大切です。かっこの中
は、ひとつながりの読みます。かっことかっことの間は、軽く間をあけて
区切って読みます。前と後との順番のつながりが消えないように音声表現す
ることも大切です。こうして、こうして、こうすると、こうなる、という順
番がはっきりと音声に表れ出るように読みます。


        
表現よみ授業の工夫


(1)ある文章個所だけの徹底指導を


  「すがたをかえる大豆」の全文章を徹底指導するには、時間がいくらあ
っても足りません。全文章を表現よみ指導するよりは、ある段落だけを徹底
指導するほうがよいでしょう。
  学級の児童全員がある程度まで全文章を上手に読めるようにするにはか
なりの時間がかかります。ある一部分個所だけ、または数個所(数段落)だ
けを徹底指導で上手に読めるようにします。ある個所を、こうして全児童が
上位の一定レベルまでひとり残らず読めるように指導します。ここで身につ
いた力がほか文章個所を読むときの力(転移力)になってくれるはずです。
 もちろん、上述したような音声表現の基礎(かなめ)となるような文章個
所は、音声表現指導として取り出して、取立てて指導することも必要です。
 

(2)一斉音読を利用する

  一人一人の個別指導に時間を費やすよりも、一斉音読で、全員で上手な
音読を繰り返し練習することのほうが効果が上がります。個別指導では時間
がかかり、また他児童たちは教師がついていないので集中しません、遊んで
でしまいます。
  一斉音読(斉読)で全員が声をそろえて繰り返して読みます。どこを、
どう音声表現するというねらいを意識して、例えば音読記号の通りに読む努
力を持って、(ただ声をそろえて読むだけではだめ)一斉音読で繰り返し練
習します。
  こうすると、個別指導よりも短時間で上達するようになります。時間が
節約でき、時間を有効に活用できます。指導時間の短縮にもなり、群読指導
にも移行できる効果的な方法になります。下手な児童も、全員で読むことで、
気兼ねなく声が出せて、どさくさにまぎれていつのまにか雰囲気にのまれて
しまい上手になってしまう結果となります。(これの指導法については群読
指導とも関連があり、詳細は拙著「群読指導入門」を参照しましょう)。

(3)聞き手に分かりやすく伝える気配りで読ませる

  聞き手(学級の他児童たち)に分かりやすく伝えよう、意味内容が聞
き取りやすいように伝えてやろう、内容(事柄)を分かってもらおう、とす
る心づかいで読むようにさせます。聞き手に分からせたい思いをいっぱいに
して読むようにさせます。
  家庭で音声表現する場合も、自分の弟や妹、母親や父親に分かりやすく
伝えるように気を配って読み方を工夫して読ませます。聞き手に伝える意識、
分からせたい意識をいっぱいにして、そうした読み方を工夫をして音声表現
するようにさせます。
  ただし、聞き手意識が強過ぎると、ばか丁寧な、へんに読み癖がついた、
作り過ぎた、空芝居じみた、空疎に聞こえる、嫌味な音声表現になってしま
うことがあります。注意しましょう。




「平和のとりでを築く」(光村6年)教材分析の例



        
筆者の伝達意図をつかむ法


  「筆者の伝達意図をつかむ」の重要性については、本ホームページの第
10、11章「説明文の語り口をさぐる」で詳述しています。

(1)体言修飾語からつかむ

  筆者が読者に何を伝えたくてこの文章を書いたか、筆者の題材やテーマ
に対する姿勢・思いが、書きぶりにどう表れているか、この書きぶりからこ
ういうことが分る、を析出することが重要です。
  そのカナメは筆者の語句の選び方や修飾語句の中に筆者の思い、意図、
訴えが潜んでいます。
  「この原爆ドームが、平和を築き、戦争をいましめる建造物」という
「建造物」の体言修飾句を述部の直す、つまり装定を述定に直すと、「この
建造物は平和を築き、戦争をいましめるものだ」となります。筆者はそれを
これから書いていくのだという大きな伝達意図が冒頭文から深層として読み
とれます。
  「平和のとりでを築く」の各段落は、このような構成になっている」と
いう文章論的な静的視点だけでみるのでなく、筆者は読者を結論に導くため
に「なぜ、このような段落構成をしているのか。筆者はこんなデータを提出
し、途中途中でこんな小結論を出しつつ、それらを関連づけて最後の大結論
へと読者を引っぱっている。読者が筆者の考えを受け入れてくれるようにこ
んな書きぶりで、それがこう効果を発揮している」そうした筆者の思いと書
きぶりを関連づけて分析し、文章の骨を洗うようにして完膚なきまでに分析
することが重要です。読者はこれをどう受けとめて、自分の考えをどのよう
に発表していくか。これがPISA読解の方法であり、メデアリテラシー読解の
方法でもあります。

(2)文末表現からつかむ

  「のだ。のである」の文末表現には、筆者がひょっこりと顔を出して意
見・思い・気持ちを述べている個所です。筆者がはっきりと断定、断言して
いる表現です。筆者が強い確信をこめて述べている言い方です。筆者の強
意・強調の表現で、見方を変えれば筆者がきめつめている表現でもあります。
筆者が事柄に対して強調し訴えている表現でもあります。筆者が読者にこれ
を伝達したい、訴えたい、という強意表現でもあります。これらの文末から
筆者が読者に熱意をこめて伝えたい事柄を読みとることができます。
・市民も役所も「原爆ドーム永久保存」に立ち上がったのである。
・被爆が原因とみられる病にたおれたのだった。
・原爆ドームが世界遺産に指定される一九九六年まで続いたのである。
・平和を求める気持ちの強さを改めて感じたのであった。
・核兵器はむしろ不必要だと、世界の人々に警告する記念碑なのである。
・それを見る人の心に平和のとりでを築くための世界遺産なのだ。

 文末「です。した。ている。ていた」は、筆者が事実として認めた表現
です。この教材文には、経過の報告としてこの文末が多く使われています。
 文末「と思う。と感じる。と考える」は、筆者の意見表明をしている言い
方です。この教材文には、この文末はありませんが、「のだ、のである」や
「です、でした、あった、ていた」などと同じ内容であり、代行している文
末だとも言えます。

(3)筆者になり代わって音声表現する

  筆者が読者に伝えたい思い・意図が文章の連なりのリズムを構成してい
ます。文章の意味内容の連なりの連続と区切りが音声表現における読み調子
やリズムを作っています。ですから、音声表現のしかたは、筆者の思い・意
図に入り込みながら、文章の意味内容の連続と区切りに読み手の息・呼吸を
合わせつつ読み進めていくことになります。文章の意味内容に呼吸を合わせ
る息づかいが大切となります。それがまた、強調・粒立て、緩急の変化、強
弱の変化、声量の変化、イントネーションの変化などの音声表現になってい
きます。筆者の伝達意図にもぐりこむことが重要となります。
  説明文の音声表現は、読み手が、筆者になったつもりで、筆者の立場に
立って音声表現していくとうまくいきます。しかし、筆者の考えと読み手
(児童・他者)の考えと一致するかというと必ずしも一致するとは限りませ
ん。読み手は、筆者になり代わって、筆者の意図や思いになって・入り込ん
で、代行して音声表現していくことになるのですが、読み手の性格、見方考
え方がり、読者の独自な感情的な評価態度を付け加えつつ音声表現していく
ことになります。原則は、筆者の伝達意図や訴えたい熱意にのっかって読み
進むのですが、読み手の感情的評価態度もひとりでに、いつのまにか付け加
わって音声に表れ出てくることになります。



      
どう授業に取り入れていくか


  「平和のとりでを築く」全文章を音声表現させる授業は時間的に無理が
あります。全文章を、全児童に一定レベルまで音声表現できるようになるに
は時間がかかります。選択した文章部分の徹底指導とならざるをえません。
  どの文章部分を表現よみに取り上げるか。二つがあるでしょう。
(1)「教師が音声表現指導として取りあげたい文章個所を徹底指導する」
(2)「児童がここを音声表現してみたいという文章個所を徹底指導する」
  この二つの中から指導個所をとりあげていくようにします。



      
冒頭三段落の教材分析のしかた例


  本稿では、「平和のとりでを築く」冒頭個所の第1段落、第2段落、第
3段落を徹底指導をすると仮定して音声表現の仕方を以下に書いていくこと
にします。

第1段落の音声表現のしかた

(本文)
  広島市には、一発の原子爆弾で破壊され、そのままの形で今日まで保存
されてきた「原爆ドーム」とよばれる建物がある。この原爆ドームが、平和
を築き、戦争をいましめるための建物として、ユネスコの世界遺産への仲間
入りを果たしたとき、わたしは、建築されてからこの日まで、この傷だらけ
の建物がたどってきた年月を思わずにはいられなかった。その年月は、わた
したちの父母や祖父母たちが生きてきた時代、そして、社会が激しく変わっ
ていった時代と重なる。


  第1段落には、マルが三つ、つまり3文がある。段落全体が教科書では
6行で、3文である。一つの文が長文ということになる。長文なので、どこ
までをひとつながりに読み、どこで切れている、をはっきりさせる指導が必
要だ。区切りでは、そこで間をあける、ということがここの音声表現で気を
つける点である。
  第1文の音声表現は、広島市には原爆ド−ムがある、ということを知ら
せているので「原爆ドーム」をゆっくりと読んで目立たせて、粒立たせる。
 第2文は、
 「この原爆ドームが」「世界遺産への仲間入りを果たしたとき」「わたし
は」「……を思わずにはいられなかった」
 という、第2文全体の大きな骨格をつかむことが重要である。当然に区切
り方は、以上のカギとカギとのあいだで間をあけて読むことになる。
  説明文の音声表現は、区切りをはっきりとあけて読むことが重要である。
次のように区切って読むのも一つの方法である。(  )と(  )とのあ
いだで間をあけて読む。(  )の中は、ひとつながりに読むということに
なる。
  強調して目立たせて読む個所には、赤い太字にしてある。

 
(広島市には、)(一発の原子爆弾で破壊され、そのままの形で今日まで
保存されてきた
)(「原爆ドーム」)(とよばれる建物がある。)
 (
この原爆ドームが、)(平和を築き、戦争をいましめるための建物とし
て、)(ユネスコの世界遺産への仲間入りを果たしたとき
、)(わたしは
建築されてからこの日まで、)(この傷だらけの建物がたどってきた年月を
思わずにはいられなかった。)

 (
その年月は、)(わたしたちの父母や祖父母たちが生きてきた時代、)
そして、社会が激しく変わっていった時代と重なる。)

【注記】
体言修飾語は、係る・受けるをひとつながりにして音声表現する。(  )
と(  )との区切りがあっても、気持ちではひとつながりにして音声表現
していくとよい。
(一発の原子爆弾で破壊され、そのままの形で今日まで保存されてきた)+
(「原爆ドーム」)のようにです。


第2段落の音声表現のしかた

(本文)
  「原爆ドーム」は、広島市のほぼ中心を流れる川のほとりに建っている。
もともとは、物産陳列館として、一九一五年(大正四年)に完成した。ヨー
ロッパ出身の若い建築家が設計した鉄骨・れんが造りの三階建てで、建物の
真ん中には、楕円形の丸屋根(ドーム)が五階の高さにつき出ている。建て
られた当時は、小さいながら、
ひときわ目立つ建物だったという。

  第2段落は4文でできている。3文目が、重文になっていて、やや長文
である。並列の重文なので、区切り個所は前節と後節のあいだだから簡単に
見い出されるはずだ。
  第2段落の大きな区切りは、次のようになるだろう。大きく間をあける
個所には、青い太字で「間」と書いてある。強調して読む個所は、赤い太字
にしてある。

 
(「原爆ドーム」は、)(広島市のほぼ中心を流れる川のほとりに建って
いる。)
もともとは、物産陳列館として、)(一九一五年(大正四年)
に完成した。)
(ヨーロッパ出身の若い建築家が設計した)(鉄骨・れん
が造りの三階建てで、)
(建物の真ん中には、)(楕円形の丸屋根(ドー
)が五階の高さにつき出ている。)(建てられた当時は、)(小さいな
がら、
ひときわ目立つ建物だったという。)

 1文目の「川のほとりに」を強調して粒立てて読みたい。
 2文目は、「もともとは」を強めな声立てにして、「物産陳列館」に結び
つくように、係るように読むとよい。
 3文目は、並列の重文なので、その区切り「三階建てで」のあと長めの間
をあけて読むとよい。「真ん中に、丸屋根ドームが、つき出ている」をはっ
きりと読んで、その(丸屋根、つき出ている)ことを聞き手に印象づけるよ
うに読みたい。
 4文目は、「ひときわめだつ」をひときわ目立たせて強調して読みたい。
 この段落全体は、筆者の伝達意図・思いは、川のそばにあって、丸屋根・
ドームのつき出た、ひときわ目立つ建物だった、ということなので、そのこ
とを知らせるように読みたい。

【注記】
  体言修飾語は、係る・受けるをひとつながりにして音声表現する。( 
 )と(  )との区切りがあっても、気持ちではひとつながりにして音声
表現していくとよい。
【(ヨーロッパ出身の若い建築家が設計した)+(鉄骨・れんが造りの三階
建てで、)】  ≪+で心もち区切りつつも、気持ちではひとつながりにし
て読む≫


第3段落の音声表現のしかた

(本文)
  この建物は、広島を取り巻く時代の流れをじっと見守ってきた。この建
物がかげを落とす川には、)(荷物を運ぶ小ぶねが行きかっていたし、夏に
なると、子どもたちが水遊びや水泳を楽しんでいた。また、小学生たちの絵
や書の作品展の会場としても、この建物は多くの市民に親しまれていた。


  第3段落には、三文がある。三つのマル箇所でまずたっぷりと間をとっ
て音声表現したい。
  この段落は、原爆以前の平和な、のどかな風景を描写し紹介している個
所である。この建物とその周辺の様子が紹介して書いている。ゆっくりと読
んで、当時は平和だった気分・雰囲気を音声でかもし出したい。「当時はこ
うでしたよ」とお知らせするつもりで、ゆっくりと読んで、様子が声に出る
ように音声表現していくとよい。
 「じっと見守って」「小船がいきかっていた」「水遊びや水泳」「絵や
書」「多くの市民にしたしまれて」などは平和な時代の様子はこうでしたよ、
と被爆後の広島と対比して述べている個所である。平和な時代の様子を特段
に強調して知らせているので、ゆっくり、たっぷりと読んで、こうして当時
の平和な時代の様子を音声で表現したい。
  この段落の大きな区切りは、次のようになるだろう。青い太字の「間」
個所では、やや長めに間をあけて読む。

 
(この建物は、)(広島を取り巻く時代の流れをじっと見守ってきた。)
間(この建物がかげを落とす川には、)(荷物を運ぶ小ぶねが行きかってい
たし、)
(夏になると、子どもたちが水遊びや水泳を楽しんでいた。)
(また、小学生たちの絵や書の作品展の会場としても、)(この建物は
多く
の市民に親しまれていた
。)

 「じっと」は、「じいーーと」と、低く、長く伸ばして強調したい。
 「この建物が(ここでほんのちょっと気持ちで間をあける)かげを落とす
川には、」と読みたい。
 「夏になると」は「楽しんでいた」まで係るように読みたい。



         
表現よみ授業の工夫


「前置き言葉」を言ってから読む

  児童が起立して音読発表をする直前に、次のようなことを言わせるのも
よいだろう。「ここを、こんな目当てをもって読みたい」と言わせる。
・わたしは、「原爆ドーム」個所を、ちょっと強めにゆっくりと読んで強調
 して読みます。
・「もともとは」を(物産陳列館として、)(一九一五年(大正四年)に完
  成した。)まで係るように、それを目当てにして読みます。
・「思わずにはいられなかった」の「思わずには」を強めに読みます。それ
  がめあてです。
・(わたしたちの父母や祖父母たちが生きてきた時代、)(そして、社会が
  激しく変わっていった時代)の二つが平等に並んでいるみたいに読みま
  す。ふたつのあいだは、かるく間をあけて読みます。
・「ひときわ目立つ」の語句を強めて読みたいです。
・わたしはいつも声が小さいと言われるので、大きな声で読むことに努力し
  て読みます。
・「この建物は」の「こ」を高く読み出して、転調にして読みます。これが
  目当てです。
・つかえないで・はぎれよく読みたいです。教室中に響くような声で読みた
 いです。

相手が分かるように伝える気づかい

  説明文は、弟や妹に、分りやすく工夫して、ていねいに、読み聞かせる
ように、分かりやすく読んで聞かせる、ように気づかって読むとよい。かん
で含めるように、目の前の弟に読み聞かせているように、弟の顔色を見なが
ら分からせたい思いいっぱいで読むようにします。
  年下の子に分りやすく伝えてやるように、ゆっくりめに読んでやる読み
方でよいでしょう。が、聞き手を意識しすぎる読みは、いやらしさ・くさ
み・いやみ・へんな読み調子、作り過ぎ、空芝居じみた音声表現になるので、
注意を要します。
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