父母と教師に役立つ学級懇談会の話材集    2015・2・23記





    
身につけたい子どもの行儀作法(2)





         
部屋の出入りマナー


□ドアを閉めるときはバタンと音をたてないようにする。また、背中の位置
 で閉めないで、ドアの方を向いてから閉めるようにする。
□ノックは、指先でノックすると聞き取れないことがあるので、にぎりこぶ
 しを作り、中指のところで二回ほどノックするようにする。
□他人の部屋に入る時はドアをノックして、室内から開けるのを待つか、返
 事があってから入る。
□トイレのドアは、必ずノックして、返事がなければ開ける。
□引き戸やドアを、足で開けたり閉めたりしない。
□障子、ふすまは、立ったままで開け閉めをしない。片ひざでもよいから腰
 をおろして行うようにする。立ったままでは相手を見下ろす形になり失礼
 になる。


          
乗り物のマナー


□乗り降りは、一列にならび、整然と秩序正しく行う。
□われ先に突進して座席を確保しない。急な横入りや追い越しで前へ出な 
 い。
□座席に座るときは、多人数が座れるように気をつかって座る。自分一人で
 二人分の場所をとらない。
□車内が込んでいるときは、幼児は母親・父親のひざの上にのせる。
□車内では、子どもは座席が空いている時でなければ、立っているのが当然
 である。小中高校生は、乗り物の中では立たせるを原則としたい。
□途中の駅(バス停)からお年寄りが乗車したら、子どもはサッと立って、
 座席をゆずる。(お年寄りをいたわるという公衆道徳からだけでなく、立
 つことで平衡感覚を養い、筋力をつける面からもよい)
□車内では、荷物を膝の上か、たなに置く。通路には置かない。
□車内では、子どもを靴のまま、座席に上げない、座らせない。
□車内では、大声で談笑しない。子どもに菓子を与えない。(車内を触った
 手で、菓子を食べるのは不潔であり不衛生である)
□座席に座るときは、女性はひざがしらを揃え、両足を開けない。男性はに
 ぎりこぶしを一つ分ぐらい開けて座る。
□車内で他人の靴を誤って踏んでしまったら、即座に「ごめんなさい」「す
 みません」と言って、謝る。
□車内では、しずくのたれる傘を他人に触れないように細心の注意をする。
□満員の電車やバスで人をかきわけて下りるとき、無言で出口に進まないで、
「すみません。おります」と声をかけて下りる。


           
参考資料(1)


 下記は、東京新聞(2015・3・19)投書欄「発言」に投稿されていた記事
です。

      最近は減った他人への心遣い
               主婦 鎌滝みどり 60 (東京都北区)

 先日、電車で三、四歳のお嬢さんを連れたお母さんを見かけた。お母さん
は娘さんの靴を脱がせて座席に座らせている。周囲の人の服や持ち物を汚さ
ないための配慮だ。私が子どものころは当たり前の風景だったが、近ごろは
珍しい。
 お嬢さんは軽くなった足を楽しげにブラブラさせている。お母さんは、話
し声が大きくなりすぎないよう工夫をしながら、にこにこお話を続けている。
ほほ笑ましいひとときでした。
 「マナー」というと形式ばって聞こえるが、実は、他人に対する少しばか
りの心遣いの表現ではないか。電車を降りてふとわれに返り、果たして自分
は周囲に迷惑をかけていないだろうか、大いに反省した。



            
参考資料(2)


 下記は、毎日新聞(2015・3・17)投書欄「みんなの広場」に投稿されて
いた記事です。

      若者たちに感謝します
              主婦 下崎好子 77(埼玉県越谷市)

 長野県で小学校の同窓会があり、出席しました。90歳を迎えた先生と後期
高齢を迎える級友20人との懐かしく楽しい再会をし、ついでに県内に住む姉
たちを訪ね、幸せな日々を過ごし帰途の列車に乗りました。
 が、急に体調の変化で気分が悪く途中下車し、荷物を持って階段を上り始
めたら「お持ちしましょう」と青年がさりげなく荷物を持ってくれました。
 その後、トイレで休んでいると「どうかされましたか。カフェで休まれて
は」と、若い娘さんに声をかけられ、カフェに案内され、さゆとケーキを持
って来て「店員さんにお願いしておきましたから」と代金も受け取らずに立
ち去りました。
 しばらく休んで、帰ろうとすると、店員さんがタクシー乗り場まで案内し
てくださいました。武蔵浦和駅で、見ず知らずの何人もの若者たちの心温ま
る行動に感激し、お礼の気持ちをどうしても伝えたいと思いました。とても
感動した一日でした。



            
参考資料(3)


 下記は、毎日新聞(2014・3・4)の投書欄「みんなの広場」に掲載されて
いた記事です。

        見習いたいさわやかな話
                無職 青木久枝 80 (長野市)

 薄暗くなった夕方、前から自転車に乗った2人の男子中学生がやって来ま
した。「こんばんは」と明るい声であいさつをして通り過ぎて行きました。
私も大きな声で「気を付けてね」と声を掛けました。「ありがとう」と声が
返って来ました。
 いい気分で豆腐屋へ寄りこの話をしました。すると、店の人が「秋のこと
だけど」と言って、小学生の男の子のことを話してくれました。
「ほうきを貸してください」と言うので「何に使うの」と聞いたところ、
「この店の前のプランターを倒しちゃったので、元通りに片づけたいので
す」という返事。「えらいね」といって貸してやり、少したつと「ありがと
うございました」とほうきを返しに来ました。
 この話を聞き「そんな素晴らしい子供いるの」と感心し、うれしくなりま
した。そのままにして行ってしまっても誰がやったか分かりません。自分の
失敗を自分で始末する。簡単なようでなかなかできません。さわやかな話で
した。


         
 電話のマナー


□非常の場合以外は、朝早く、または夜遅くに電話をかけない。
□電話をかけたとき、相手を確かめ、自分の名前を言ってから、要件を話す。
 「○○さんのお宅ですか。わたしは○○と言います。○○ちゃんはいらっ
 しゃいますか」と言う。いきなり「○○ちゃん、いますか」と言うのは不
 作法である。
□かけた相手が不在の時は、「何時頃、お帰りでしょうか」と聞く。「どち
 らへ、何をしに、行かれたんでしょうか」などと立ち入った問いかけはし
 ない。不作法な問いかけだから。
□急用の用事がある時は、「恐れいりますが、急な用事がありますから、お
 帰りになられましたら○○までお電話くださるよいにお伝えください」と
 伝言を頼む。
□伝言を頼まれたら、相手の名前と電話番号のメモをとる。必ず復誦して、
 間違いがないか確かめる。
□電話を受けた時、晴れやかな明るい声で応答する。陰気な沈んだ声で受け
 答えをしない。相手を不愉快にするから。
□電話を受けた時、突然、相手の身分が分かって、急にはずんだ明るい声、
 ていねいな言葉づかいに変わったりすると、相手を不愉快にする。こちら
 の人格が疑われる。なので、やめる。
□間違えて電話をかけてしまった時、「間違えました。すみませんでした。
 たいへん失礼しました。まことにすみません」などのコトバを言って、お
 わびする。先方が受話器をおいてから、こちらの受話器をおく。
□家族にとりつぐ時、「いまかわりますから、少々お待ちください」と言え
 る。


          
会話のマナー


□相手の目を見て話す。会話中は、視線をそらしたまま話したり聞いたりし
 ない。チョロチョロと落着きなく視線を移すのは不作法である。
□話を聞いているとき、天井を見たり、床を見たり、本を読んだり、手元の
 物品をもてあそんだりしない。
□ひじをついて話したり、あごに手を当てて聞いたりしない。
□自分が知っている話題、興味のない話題であっても、心底からあいづちを
 うんうんとうちながら興味を示して最後まで聞くようにする。
□相手が長い話し、興味のない話しを続けても、あくびをしたり、いやな顔
 をしたり、また、腕組みをしたり、ほおづえをついて聞いたりしない。
□話し中に、くしゃみ・咳が出るときは、ハンカチやちり紙を口に当てて、
 人のいない方向を向いて静かにする。
□むやみに他人の悪口、短所、過失をあばいたりするのは軽はずみな行為で
 あるからしない。他人がそのような話を長々と始めたときは、明るい話題
 にそらすようにする。
□相手の気持ちを思いやる心、相手の気持ちを害さないで、気分よく受け入
 れてくれるように気遣って話せる。


            
参考資料

       
 アオシスの心
           オ おそれいります
           ア ありがとう
           シ しつれいしました
           ス すみません


        五つの心
          「はい」と言う素直な心
          「ありがとう」と言う感謝の心
          「おかげさまで」と言う謙虚の心
          「すみません」と言う反省の心
          「私がします」と言う奉仕の心



          
食事のマナー


           
はしの使い方

(正しくないはしの使い方)
□まよいばし………どの料理をたべようかと、はしを、器の上をあちこちと
         動かす。
□うつりばし………一つの料理を食べたあと、すぐに別の料理にはしを移す。
         必ずあいだにご飯を食べるようにする、
□かさねばし………同じ料理ばかりを続けて食べる。バランスよく食べるの
         がスマートだ。
□押し込みばし……口の中にまだ料理が残っているのに、さらにはしで口の
         中に料理を押し込む。
□さぐりばし………自分の好みのものを探すために、料理の中にはしを入れ
         てつっついてかき回す。上から順にとって食べること、
         下の料理をほじくり出して食べない。
□さしばし…………料理にはしを突き刺して口の中へ持っていくのはだめ。。
         はしは、フォークではない。
□なぶりばし………はしの先についたものを口でなめる。はしをなめるのは
         見た目もよくない。
□よせばし…………食器を、はしで手前に引き寄せたり、向こうや横へ移動
         させたりする。食器の移動は必ず手に持って行う。
□かきこみばし……食器を口に当てて、はしでかき込んで食べる。お茶漬け
         のとき以外は、ご飯をかき込んで食べない。
□せせりばし………はしの先を口の中へ入れ、ようじ代わりにする。
□かためばし………茶碗の中のご飯を、はしでかためて食べる。
□ゆびさし…………はしで人をゆびししたり、方向指示をしたりする。行儀
         が悪い、危険でもある。
□はしうつし………料理を、Aの人のはしから、Bの人のはしへ、はしわた
         しで移す。これは火葬の時の骨拾いの際に行うものとし
         て忌み嫌われる。
□はしたて…………ご飯にはしを突き立てる。これは死者の枕飯にはしを立
         てることから忌み嫌われる。
□たたきばし………ご飯を頼む時や、おかわりを頼む時に、はしで茶碗をた
         たいて催促する。
□なみだばし………はし先から、汁をポタリポタリとしたたらせてはだめ。
□くわえばし………はしを口の中に入れて咥える。または、はしを歯で噛む。
□ねぶりばし………はし先を口に入れたり、なめたりする。



          
 はしの持ち方


 はし使いは、食事マナーとしてとても大切です。はしを正しく持って使え
ば、運ぶ、はさむ、切るなどの動作をスムーズに行うことができます。

 はしの基本的な持ち方
   @はし先から3分の2ぐらいのところを持ちます。
   A下の一本は薬指にのせるようにして親指のつけ根で支えます。
   B上の一本は、人さし指、中指でかるくはさみ、親指をかけます。
   C物をはさむときは、下の一本を固定して、上だけを動かします。
   D人さし指と、中指とを上手に使うのがコツです。
   Eはし先を、なるべく汚さないように意識し、先から3センチ
    以内を使うように心がけると上品に見えます。


          
 参考資料(1)

 下記は、読売新聞(2015・1・14)の投書欄「気流」に掲載されていた記事
です。

      テレビの出演者は正しく箸を持って 
              会社員 中村元彦 53(長野県箕輪町)

 この正月、テレビの旅番組や料理番組で、芸能人が食事をする場面を数多
く見ました。おいしそうな料理には、思わずつばをのみ込んでしまいました。
 ただ、気になることがありました。ある若い芸能人が正しいはしの持ち方
をしていなかったことです。いわゆる握り箸ですした。
 間違った箸の持ち方を、子どもたちがまねしては困ると思いました。外国
から来た人もテレビを見て、間違って覚えてしまうかもしれません。それほ
ど、テレビの影響力は大きいと思うのです。
 箸の使い方も日本文化の一つではないでしょうか。細かいことかもしれま
せんが、テレビに映る人ほど作法をしっかり身につけてほしいものです。



           
参考資料(2)

 下記は、東京新聞(2015・3・3)の25面にあった新聞記事です。東京都
台東区立蔵前小学校の箸使い指導の実践報告が書いてありました。

       「正しい箸の使い方」を学ぶ活動

 和食の食事作法は箸の使い方が基本だが、給食時間によく観察していると
箸を上手に使いこなしている児童は意外と少ない。しかし学校の短い給食時
間の中でじっくりと教えることもできず、食育課題の一つになっている。
 本校で二、四、六年生を対象に箸に関する授業を実施する前に実態を調べ
た。すると、箸を正しく使いこなしている児童は三割程度だった。なお、千
葉県での調査でも同様な結果が出ている。
 一月の全国学校給食週間に、五、六年生の給食委員会(十七人)が全校集
会で「箸使いの大切さ」について発表することになった。
 そこで委員会の活動時間を使って、和食がユネスコ世界無形文化遺産に登
録された時の新聞記事を読ませ、一人ひとりに記事の要点や感想を書かせた。
さらに、箸使いの大切さが伝わる「心を動かす言葉」とは何かを考えた。
 すると、「和食は自然を尊重した食事」「日本に住んでいるからこそ箸使
いをきちんとしたい」「和食が世界に認められたからこそ、私たちはきれい
に箸を使えなければならない」「大人になっても恥ずかしくない正しい箸使
いをしたい」「美しい箸使いで海外の人を驚かせよう」などが提案された。
 その後、給食委員たちは発表のために、2.5メートルの箸と巨大な指の紙
の模型を作り上げた。昼休みや放課後に集まって、正しい箸の使い方をどの
ように伝えるかを考え、練習した。
 集会では、児童たちが模型を使って正しい箸の持ち方を体で表現。「みん
な正しい箸使いをできるようになろう」と呼びかけた。
 集会後、給食委員が休み時間に各学級を訪れて「箸の検定」を行った。休
み時間という限られた時間であったため、残念ながら合格者は23%だった。
 給食委員会のその後の話し合いで、全員が箸を正しく持てるようにこの活
動を継続していくことが決まった。心を動かす言葉探しは、探した人自身の
心も動かしたようだ。(台東区立蔵前小学校栄養教諭・河部節代)



           
参考資料(3)

 下記は、読売新聞(2014・9・1)の投書欄「気流」に掲載されていた記事
です。

        箸袋に書いた手紙 
                 主婦 大野栄子 72(相模原市)

 デパートのレストランで友人二人と食事をした。私と1人の友人はすぐに
食べ終えたが、もう一人は残してしまった。
 彼女は帰る間際に、箸袋に何かを書いていた。店を出て「何を書いていた
の」と尋ねると、「心をこめて作ってくれた料理人さんに申し訳なくて、お
詫びを書いていたの」と言った。おいしくなくて残したのではなく、量が多
くて食べきれなかったことを伝えたという。
 細やかな心遣いに感心した。



          
食事の姿勢



□背すじを伸ばし、姿勢よくして食べる。
□両ひじ・片ひじをテーブルについたり、足を組んだり投げ出したりブラブ
 ラさせたりしながら食事をしない。
□犬食いをしない。つまり、背中を丸め、テーブルにかがみこみ、口を食器
 に突き出して食べない。
□茶碗、おわんは、手に持って食べる。食器に口を近づけるのではなく、食
 器を手で持ち上げて、はしでつまんで食べる。



        
食前・食後のマナー


□食事の前に手を洗う。
□食事の前後、配ぜん、後片づけの手伝いをする。
□食前に「いただきます」、食後に「ごちそうさま」を言う。
 (「いただきます。ごちそうさま。これは感謝のコトバです。食事を作っ
  てくれた人へ、田畑や漁で仕事をしてくれた人へ、流通で働いてくれて
  いる人へ、多くの人への感謝とお礼のコトバです。このことをアタマに
  入れて言うようにしよう)
□食事の途中で、トイレへ行かない。食前にすましておく。食後まで、でき
 るだけがまんする。
□食事が終わったら、「おいしかった。○○の味つけがよかった。」など、
 感謝、褒めるコトバを言う。
□食べ終わったら、皿や茶碗を台所まで運ぶ手伝いをする。
□あさ、昼、晩、食事をしたあとは、歯を磨く。
□おやつの時間、甘い清涼飲料水を飲んだあとは、水でぶくぶくうがいをす
 る。


            
参考資料(1)

 下記は、読売新聞(2014・12・9)の投書欄「気流」に掲載されていた記事
です。

     食べ放題飲み放題 注文は節度を守って
              会社員 瀬戸徳照 53(福岡県久留米市)

 時間制ながらも定額で飲み放題食べ放題という店が増えてきた。あらかじ
め出費が計算できるので、うれしく思っている。
 だが、残念なことが一つある。先日もそうした店で会食して帰る際、退席
した他の団体客のテーブルに目をやると、飲み残しや食べ残しがたくさんあ
った。飲み放題食べ放題だからといって、余るほど注文するのはマナーに反
すると思う。
 店員からも飲み残しや食べ残しがないようにお願いされることが多い。そ
こで、私が幹事をする宴会では、2時間制の場合、開始から1時間は各自好
きに注文してもらう。残りの1時間は参加者に協力を呼びかけ、酒や食べ物
の残り具合を見ながら、私がまとめて注文するようにしている。
 飽食の時代と言われて久しい。完全に飲み残しや食べ残しをなくすことは
難しいかもしれないが、ルールや節度を守り、笑顔で店を後にしたいものだ。


            
参考資料(2)

 下記は、朝日新聞(2014・6・3)の投書欄「声」に掲載されていた記事で
す。

      食べ残しのない食べ放題の店
                パート 荒川ゆかり 50(埼玉県)

 若者に人気の「スイーツ食べ放題」の店に行ってきました。わくわくする
一方で、食べ放題につきものの「食べ残し」や「食い散らかし」があると嫌
だなとも思いました。
 以前、会社の宴会で、しゃぶしゃぶやすき焼きの食べ放題を注文しながら、
食べきれずに結局、十数さらの肉を放置したままお開きになったことが何回
かあるからです。
 しかし埼玉県内のこの店では、店員さんが「食べられる量だけをお皿に取
り、食べ残しのないようご協力下さい」と、笑顔で頭を下げて回っていまし
た。お客も手元の皿が空になってから、つぎのお菓子を取りに行っていまし
た。
 おいしく食べて、すがすがしく皿を置いて帰れる。こんなお店が増えれば、
外食が一層楽しくなるでしょう。



            
参考資料(3)

 下記は、毎日新聞(2014・10・15)の投書欄「みんなの広場」に掲載され
ていた記事です。

        大食い番組 見てて不愉快
              主婦 城崎雅子 36 (福岡県久山町)

 本欄10月4日の「腹が立つ大食い番組」に全く同感です。私もつねづね大
食い番組を不愉快に思っていました。出演者が料理をひたすら口に詰め込ん
でいく姿からは、食べ物への感謝の念が感じられず、見ていて悲しい気持ち
になります。
 プロ野球の優勝パーテーでのビールかけもしかり。ビールを無駄にするだ
けでなく、その後片づけにも多くの資源が使われるなんて、もったいなくて
仕方がありません。
 日本では、売れ残りや賞味期限切れなどで、まだ食べられるのに廃棄され
る「食品ロス」が年間500万〜800万トンにもなるのだとか。これだけ
の食糧があれば、飢餓に苦しむ国の人々を救うことも可能だそうです。
 食品ロスの削減は、日本の抱える課題の一つです。私たちが日々の生活の
中で、食べ物を大切にするよう心がけるのはもちろん、影響力のある有名人
や番組制作者の方々にも、良識ある行動と放送を意識していただきたいと思
います。


            
参考資料(4)

 下記は、読売新聞(2014・6・18)の投書欄「気流」に掲載されていた記事
です。


      ファミレスで注意 気持ち通じて安心
             非常勤職員  三浦清悟 60 (熊本市)

 ファミリーレストランに家内と夕食に出かけた。店内には客が多かった。
席につくとすぐ耳障りな音が鳴り始めた。年配の女性が連れていた小学校低
学年ぐらいの女の子が、携帯ゲーム機で遊んでいた。
 しばらく我慢していたが、一向に鳴りやまない。私は席を立ち、女性に
「ゲームの音がうるさいのですが」と注意した。女性は最初、けげんそうな
表情をしたものの、女の子にゲームをやめるように伝え、女の子も素直に聞
き入れた。
 帰り際、「先程はすみませんでしたね」と言うと、女性は「こちらこそす
みませんでした」と笑みを浮かべて軽く頭を下げた。私はうれしくなり、
「ありがとうございました」と言って店を後にした。
 今の時代、「叱れない」「注意できない」ということが普通になってしま
った。周りで見ていた人たちが、何かを感じてくらたらうれしいがぎりだ。


            
参考資料(5)

 下記は、毎日新聞(2014・10・17)の投書欄「みんなの広場」に掲載され
ていた記事です。

        つば吐くプロ野球選手は不快
               無職 辻本稔 79 (兵庫県川西市)

 プロ野球のレギュラーシーズンも終了。プロ志願届を提出し、将来に大き
な夢を抱く球児がいる一方で、成績不振の責任をとって辞任する監督や戦力
外通告を受けて球界を去っていく選手たちが存在し、厳しい世の移ろいを感
じる。
 そんなプロ野球のテレビ中継で不快に思うのは、グラウンドにつばを吐く
行為だ。その選手のなんと多いことだ。晩酌までまずくなる。このように感
じるのが私だけではないと思う。力士が土俵で、またテニス選手がコートで
そんなことをするだろうか。昔、南海ホークスの鶴岡一人監督は「グラウン
ドに銭が落ちとる」と選手を鼓舞した。選手たちにとって自らの生活を支え
てくれる神聖な場所のはずだ。
 プロ野球の関係者は、少年たちに野球の裾野を広げようと真剣に考えるな
ら、このような行為を厳に慎むよう一丸となって取り組むべきではないだろ
うか。


          
食事中のマナー


□正しいはしの持ち方ができる。
 昔は、赤ちゃんが食べ始めるようになると、最初のしつけは、はしの持ち
 方を厳しく教えたものでした。「はしの上げ下ろしまで文句を言う」の格
 言があるが、昔はそれほどまでに正しく美しいはしつかいについて幼児か
 ら厳しくしつけたものです。
□家族みんなが揃って、楽しく語り合いながら食事をする。
 明るく楽しい話題を自分から積極的に話そうと気を使う。同席している人
 を楽しませる心づかいを持つ。
□食事中はテレビを消す。
 黙々とガツガツと食べるだけはよくない。テレビを見ながら、また、キョ
 ロキョロとよそ見をしながら食べるのはダメ。
□食べ物を口に中の入れたままで話さない。飲み込んでから話す。
□食器に口をもっていくのでなく、食器を手で持ち上げて食べる。つまり、
 犬食いをしない。
□ご飯とおかずは交互に食べる。
□おかわりは、はしを置いて、両手で茶碗を持って、さしだす。受け取りも
 両手で行う。
□よそってもらっている時は、はしを置いたまま待つ。待つあいだは、おか
 ずを食べない。
□料理はこぼさないようにする。こぼしてしまったら大騒ぎせず、そっと片
 づける。
□大きなものをほおばって食べたり、ろくにかまずに、かきこんで食べたり
 しない。
□一度、はしをつけたものは残さないようにする。
 昔は、茶わんにご飯を残すと、「目がつぶれる」と言われたものだ。
□音をクチャクチャとたてて食べない。音を出して食べない。
□立食形式なら別だが、席に座って食べる場合は、立ち歩きながら食べない。
 学校給食のときにも食べ歩きする子には、教師が指導する。
□ようじを使うときは、手かハンカチで口をおおい、目立たないようにして
 行う。
□焼き魚、煮魚の食べ方が下手な子が多くみられる。
  魚は上身を食べたら、骨をはずしてから、下身を食べる。上身を食べた
 後、ひっくり返して下身を食べる子がいるが、これは間違いだ。骨を外す
 のにはしだけで無理なら左手を使う。はしでアチコチとつっついて食べ散
 らかす残り方をしてはいけない。身をきれいに食べて、骨だけ残す食べ方
 がベストだ。
□食事中、おいしい時は、「この料理は、とてもおいしいよ」とか「とって
 も味がいいね。また作ってね」とか話題にし、料理人の心を思いやる気持
 ち、感謝の気持ちを声に表わす。
□はしと茶碗を、片手だけで、一緒に持たない。
□食べた後、食べ散らかし放題にしない。
□ナイフの刃、フォークの刃の先を人に向けない。
□食べるスピードをみんなと合わせて食べる。おしゃべりに夢中になって遅
 くなったり、早く食べすぎて手持ちぶたさになったりはよくない。
□食事が始まったら、できるだけ中座をしない。トイレは食事の前に行って
 おく習慣をつけておく。
□食事中は、電話をかけたり、電話を受けたり、携帯メールを読んだりしな
 い。

           
参考資料(1)


 下記は、朝日新聞(2014・8・9)の投書欄「声」に掲載されていた記事で
す。

      一緒にごはんを食べる幸せ
                大学生  比嘉 咲 29 (福岡県)

 大学進学で沖縄県の親元を離れ、一人暮らしを始めた。高校時代までは、
家に帰るとご飯が出てきて、一緒に食べる家族がいた。塾や部活で帰りが遅
くなっても、母が隣りに座ってくれた。母が仕事で遅い時は、父が料理をし
て、食べる時はそばにいてくれた。
 私の家族は、普段は口数が多い方ではない。だから食事のときが、全員で
話しができる唯一の場だ。当たり前で意識したことがなかったが、一人暮ら
しをするようになって、そのありがたさを感じる。
 栄養のバランスを考えて一人前を作るのは、思ったよりも難しい。2年が
経ち、一人暮らしのさみしさにはずいぶん慣れたが、毎日料理をすることに
は今も慣れない。
 だが、この経験から家族に感謝したり、尊敬したりする気持が持てた。誰
かと一緒に食べる方がおいしさが増すことも知った。今は、よく友人たちと
食事をする。私はこれからも、誰かと一緒に食べられる人生を歩みたい。


           
参考資料(2)


 下記は、朝日新聞(2015・3・16)投書欄「声」に掲載されていた記事で
す。

      ファミレスで家族中スマホとは
               無職 田中秀隆 (神奈川県 78)

 日曜日の昼どき、ファミリーレストランに妻と入った。料理を待っている
間に家族連れ6人が向かいの席に座った。母親と高校生らしき男の子、男児
と女児が3人。さらに、おばあちゃんと見られる人がテーブルの端の席につ
いた。
 席についた子どもたちは一斉にスマートフォンを取り出し、指を動かし始
めた。子どもたちは、メニューを熱心にみることもない。母親が適当に注文
しているように思えた。
 料理が来るまで、母親もスマホに熱中していた。あばあちゃんは退屈しの
ぎなのか、誰かに電話をしていた。やがて料理が並べられたが、食べ始めて
も子どもたちはスマホをのぞいていた。
 その家族は食事が終わっても誠に静かで、会話は相変わらずない。私たち
夫婦は顔を見合わせた。母親の「じゃ帰るわよ」というひと言で、彼らは店
を出て行った。そのときも、まだスマホをやっていた。
 40年前、わが街に初めて開店したファミレスに育ち盛りの3人の子どもた
ちを連れて行って、食事をしたときのことを思い出した。料理がテーブルに
置かれるたびに、子どもたちは歓声を上げた。彼らに、そのときのことを聞
いてみた。「うれしかったことは忘れていないよ」という返事だった。
 時代が違うといってしまえばそれまでだが、どっちの時代が子どもたちに
とって幸せなのだろう。みなさんは、どう思われますか。



           
参考資料(3)


 下記は、朝日新聞(2014・9・29)の投書欄「若い世代」に掲載されていた
記事です。

      母に習ったサンマの食べ方
              中学生  荒 孝一郎 15 (東京都)

 サンマの季節になった。天気が良かったので、自宅の庭で焼いて食べた。
煙がもくもくと上ったけど、こうばしい香りが漂い、食欲をそそった。身を
ほじくるように食べていると、じっと見ていた母が「もったいないね。せっ
かくのお箸文化を受け継いできたのに、使いこなせないね」と言った。
 中骨にそって箸で切りこみを入れ、身を上下に開く。後は頭と尾を持って
中骨を引き出すと、きれいに骨がとれ、身も食べやすくなる。すだちを絞り、
しょうゆを少したらす。母からコツを教わった後は、きれいに食べることが
できた。褒められた。
 「そう言えば、魚の食べ方なんて、真剣に話したことなかったね。ごめん
ね」と母。最近、あまり母と話していなかったなあ。怒られたり、愚痴られ
たり、つまらない会話で嫌だった。でも、その日は素直に笑顔で「ありがと
う」と言えた。



          
参考資料(4)


 下記は、読売新聞(2014・9・8)の投書欄「気流」に掲載されていた記事
です。

    食育 家庭の役割も大切
           高校教諭 細野徳昭 47(神奈川県平塚市)

 高校で食べ物や栄養について正しい知識を身につける「食育」の授業を担
当しています。今年の夏休みは家でお菓子を1品作るという宿題を出しまし
た。
 提出されたリポートを読むと、「家族に好評だった」「お母さんの味には
及ばない」などの記述がありました。料理が家庭内のコミュニケーションを
取るきっかけになったり、生徒が家族のありがたみを考えたりしたことがう
かがえました。
 食事を進める上では、学校だけでなく、家庭の役割も大切だという思いを
強くしています。我が家では、休日の朝は子どもが朝食作りを担当していま
す。将来、自炊する時に役立つはずで、子どもは料理を楽しんでいるようで
す。
 多くの子どもたちが家庭で積極的に料理に取り組み、健康に生きていく力
を身につけることを願っています。


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